高畑勲監督 死去、追悼番組「火垂るの墓」を金曜ロードショーで放送決定

2018年4月5日に肺がんのため死去した高畑勲監督の「火垂るの墓」を追悼番組として急遽、日テレの金曜ロードショーで13日に放送されることが決定しました。


予想はしていましたが、やはり放送回数の一番多い火垂るの墓をもってきたかという感じです。アニメの内容としては戦争に翻弄された兄妹の過酷でちょっと可哀想なアニメ映画なので好き嫌いの好みが結構分かれそうですね。


火垂るの墓は実写映画も製作されており、戦争を知る世代も少なくなってきている昨今、とても勉強にはなるアニメなんですが、やっぱり原爆の日や終戦記念日のある8月に放送されるイメージがありましたので、もしかしたらコレ以外かなと思っていたんですがあてが外れちゃいました。


私は高畑監督のジブリ映画なら個人的には「平成狸合戦ぽんぽこ」が一番好きです。開発が進み住みかを奪われそうになった多摩丘陵の狸たちが開発阻止を企てて人間を化かして追い払いたい狸と人間との共存の道を探ろうとする狸たちの葛藤や迷い、怒りと悲しみという自然の大切さを教えてくれるアニメになっています。


こちらは笑いもあって大人でもちょっとワクワクしてしまうかもしれませんね。


特に見どころは3人の四国の偉い長老狸を代表に招いて里の狸一丸となって決行した妖怪大作戦はすごく見応えがあります。子供から大人まで楽しい内容だと思いますよ。


また、高畑勲監督は宮崎駿監督とともにジブリ映画を盛り立ててきた立役者で、火垂るの墓の他にも

「おもひでぽろぽろ」(91年)
「平成狸合戦ぽんぽこ」(94年)
「ホーホケキョ となりの山田くん」(99年)
「かぐや姫の物語」(13年)


など数々の名作を残されていますね。


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高畑勲監督 火垂るの墓のあらすじとネタバレ

「昭和21年9月21日夜、僕は死んだ」という清太のセリフから物語は始まります。


【アニメの冒頭】
物語の始まりは省線(現在のJR東海道本線 三ノ宮駅構内)で衰弱死した清太を駅員が見つけ所持品の錆びたサクマドロップの空缶を乱暴に草むらに投げ捨てる。缶の中には先に亡くなった妹の節子の骨が入っており缶からこぼれ落ちた骨の周りを蛍が飛びまわり、死んだ節子と再会した清太が手を繋いで去って行き電車に乗っていきます。


(火垂るの墓は物語の結末から始まって、以降は清太と節子のこれまでの経緯や生活を遡る形で物語が進行していきます)


【生前の節子と清太の生活】
太平洋戦争末期、兵庫県武庫郡御影町に住んでいた4歳の節子と14歳の兄 清太は6月5日の神戸大空襲で先に避難した母を追いかける形で避難するが母が空襲で大火傷を負い死んでしまったことを知らされる。


行き場を失った兄妹は親戚のおばさんの家を頼ることになりますが、最初は母の死やこれまでの境遇に同情して親切にしてくれた叔母も戦争中で食料難の折、学校にも行かず防火活動にも行かずいつまでも家に居座る兄妹が邪魔になってきてキツクあたり始めます。


とうとう母の形見の着物まで売って食料に換えてこようとした叔母に節子が泣きついて嫌がるも結局に米に換えてしまった。


初日はちゃんと白米を食べさせてもらえたので喜ぶ節子。でも翌日から態度が激変します。


あろうことか残りの米を叔母と叔母の子供たちの朝食やお弁当にしてしまい、2人には汁だけの粥しか食べさせないという意地悪をしました。


居づらくなった清太は銀行にお金があったので道具を一式揃え、節子を連れて叔母の家を去り、池の近くの防空壕で蛙やタニシなどを取って生活するも、それを見つけたよその子達に苛められたりしたため食料が得られなくなり節子が栄養失調で衰弱してしまいます。


痒みを訴える節子


仕方がなく野菜を盗んだりして百姓にボコボコにされるも駐在さんが庇ってくれたおかげで何とか食いつないでいました。節子を病院に連れて行ったりもしましたが「滋養をつけるほか治療法が無い」と診断されたため、貯金を下ろしに銀行に行ったところ日本が戦争に負けて父親が所属していた連合艦隊も壊滅したと知ります。


(節子と清太は実はわりと裕福な家の生まれだったことが分かります)


そしてスイカを手に入れて防空壕に戻るも節子はすでに食べ物を受け付けないほど衰弱しており、まもなく死亡してしまう。


節子の遺体を丘の上で燃え尽きるまで荼毘に付します。遺骨をドロップ缶に入れて清太も防空壕を去り、冒頭の三ノ宮駅にたどり着きそこで亡くなってしまいます。


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火垂るの墓 印象に残るセリフ1位は「おなかびちびちやねん」

清太:「昭和21年9月21日夜、僕は死んだ」
始まってすぐに清太が言うセリフです。


清太:「今何日なんやろう・・?」
物語が始まってすぐ、清太が駅で衰弱死する寸前に漏らしらセリフです


節子:「お腹びちびちやねん」
正確には↓↓
節子「兄ちゃん、うちな・・お腹おかしいねん」
清太「冷えたんか?」
節子「ずっと・・びちびちやねん」


節子の栄養失調が顕著になってきた頃のセリフです。
この後に清太は畑に野菜を盗みに入りボコボコにされてしまいます。


「ゆるしてつかあさい・・」という清太のセリフも切ないです。

さいごに

火垂るの墓は本当に戦中戦後の厳しい世界に生きた兄弟の話なので、見たあとにはちょっと悲しくなるかもしれません。


ですが今の生活の豊かさや、周囲の人の寛容さに対する感謝も沸いてくるのではないでしょうか?
決して笑えるアニメ映画ではありませんので、楽しい雰囲気のほうが好きな方は「となりの山田くん」または「平成狸合戦ぽんぽこ」


少しノスタルジックな気分に浸りたい方は「おもひでぽろぽろ」が合っていると思いますよ。

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